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 No.044           座右の銘           2003.11.25

先日所属している、経営者塾から、記念誌を発行するから、「座右の銘」を出すよう
にとの指示が来ました。

先人や、偉人達が言った言葉ではないが、私には辛い時(ショッ中・・・?)必ず思い
出す言葉がある・・・


バブルが崩壊して、会社が危機に陥り、縁あってパチンコ設計に特化して以来、何
とか危機を乗り切ってきたことは、この欄でも何度も書いてきましたが・・・

私が参入する前から、すでに専業でやっている方は、沢山いたわけですから、実際は
特化したから、パチンコ設計だから、イコール儲かる・会社は立ち直る、なんて生易
しいものではなく、

「何とか生き延びていけそうなジャンルを発見できた」に過ぎず、特化を決心した以
降も辛い時期は続いた。(・・・今デモ?)


資金繰りも四苦八苦で、パチンコ設計に絞ってもやはり無理かなと、何度もサジを
投げたくなる時期が暫く続いた。

正にその苦悩の、真っ最中に、盛岡のパチンコ経営者を、知人に紹介して頂けるこ
とになり、勇んで出かけた。


とても良い方で、初対面にもかかわらず、お昼をご馳走になりながら、ご自分の過
去の体験談・苦労話を気さくに聞かせて頂けた。


“若い頃、ボウリングブームがやって来て、ボウリング場経営に踏み切った。
成功を信じて、多額の借入金と、全財産を投入して作った事業が、工事が始まる頃
には急激に、ブームは去り、開店直後から一度もブームの恩恵も受けることなく、
苦労の日々が続いた。


四苦八苦の苦労が続く中、同じようの境遇ではじめた、同業者は次々と力尽きて、
倒産して行った・・・“

その経営者は、数年間苦しい状況が続く中、思い切って、そのボウリング場を利用
して全く経験の無い、パチンコ経営に転業し、奇跡的な回復をし、以来いまや盛岡
では、県内でも有数の規模の企業になっている。


若い頃の苦労を振り返って、その社長さんの言った言葉が、迷える私を救ってくれ
た・・・

「誰でも苦しい時一生懸命頑張るが、力尽きてサジを投げる人も多い。しかし後で
振り返って見ると、多くの場合、良くなる直前に、サジを投げている事が多い」

初対面の私が、余りにも情けない顔をしていたから、励まそうと思って言ってくれた
のか、単なる昔話だったのか、解りません。

座右の銘というほど、スマートでも、かっこよくも無いが、私にはとても大事な言葉で
す。その言葉にどれほど大きな勇気を頂いたか・・・


以来、今でも何度も辛い事は続くが、その度に私は、「・・・こんなに辛いのだから、
良くなる直前に違いない。もうひとガンバリしよう!」と何時も自分に言い聞かせな
がら、あの時の盛岡の社長さんを思い出す。

仕事は頂けなかったが、仕事以上に大きな“励まし”を頂いたと、今でも感謝してい
る。

こうして、人の一言一言が、聞く人を勇気付けたり、励ましたり、大きな影響力をもつ
ことを体験すると、私も人生の先輩として、
自社の社員や、タムラ塾等で出会う若い人達へ何かの励ましや成長のキッカケに
なる言葉を与えられれば、と思う最近です・・・



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