No.014  建築等の規制条例  2003.04.28

最近関西方面で仕事を頂くケースが増えている。その中で気になるのが、パチ
ンコ店の規制条例です。


知っている範囲でも、宝塚市・西宮市・奈良市・尼崎市・・・段々増えている。
表向きは「住環境の向上」をうたうがターゲットはラブホテル・パチンコ等の規制
である。

設計士の立場で言えば、建築基準法という国法で定められたものを、条例で規
制するのは問題ありと思う。


最近宝塚市では、条例裁判で負けた市が、今度は特別工業地域に突然用途地
域を変更し、パチンコ店を規制しようとし、泥仕合のようになってしまった。

しかし逆に一方的に特別工業地域に指定された地主の権利が、守られているの
か気になるところだ。土地の価値も下がると思うのだが。


15年程前、天才的ラブホテル経営者に出会った。
彼は規制条例で出来ない筈の地域に、ドンドンホテルを作り出し、ホテル王への
道まっしぐらに突き進んだ。その頃各地にラブホテルブームが起き、住民の建設
反対運動が盛り上がった。

頭を痛めた多くの市・町・村は、ホテルの規制条例作り建築ブームも住民運動
も沈静化した。
最近のパチンコの規制条例もその延長上にあると思う。


ではどのようにして、「ホテル王」氏は、そのさなかに市長の同意が必要な「ホテル」
を造りえたか?

違法で造ったかって?
トンデモナイ。正真正銘、彼は天才なんです。

氏はまず正規の手続きに基づき、市に「事前申請」を提出。市は当然「不同意」・・・

次に彼は、市の建築課に確認申請を提出しました。弁護士同伴で、その不同意の
事前申請を添付して・・・


そして確認申請は建築基準法に従って厳密に審査され、設計者は指摘事項を直し、
確認申請はおり、着工。そしてホテルは無事オープンした。

ナゼダッテ?・・・

本質的には、条例は××××の為のもので、建築確認申請は、××××する申
請なのです。

以上が全てです。(×部は少し言い辛い。どうしても知りたい方は、メール下さい)


当時条例を定めた、ある地方自治体の担当者は、「この条例は裁判になれば多分
負けます。しかし少なくとも裁判期間中は住民の住環境は守れます。
市はそこまで覚悟して定めています」と語っていた。

それが条例の限界かも知れない・・・

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