最近 新入社員の教育に取り組んでいく内に「フランチェスカ料理学校」の事 を思い出した。ミラノに事務所があった頃、長女が通っていた料理教室である。 フランチェスカさんの自宅が教室で、娘は何時も楽しそうに通っていた。 しばらくは気にもしなかったが、下の娘が学校の休みに姉を訪問 すると、「クミ、一緒に行こう」とずいぶん気楽に、妹を連れて行くのです。 「イイの?」と聞くと、「イイの!イイの!」と二人でルンルン気分で行く。 後で聞いてヤット理解した。 フランチェスカ料理教室は「先生が作るのを見ていて、先生の料理を頂く」の だそうです。皆で楽しくベチャ・ベチャおしゃべりをしながら、先生の作るフル コースを美味しく頂く・・・そう家庭レストランなんです。 娘が楽しそうに行くはずです。・・・ 私モ通エバヨカッタ・・・? 料理教室というと、ステンレスの立派な調理テーブルを前に、先生の講義を 聴きながらレシピに従って、料理を作るのが料理教室と信じて疑わなかった ので、驚きであった。 料理は味です。美味しい料理は舌が覚えます。 ・・・フランチエスカさんは、「味」を教えているんです。 小さい頃、お母さんの美味しい料理を食べた娘さんが、結婚前にお母さんか ら改めて料理の作り方を教えてもらわなくても、美味しい料理が作れるのは ココなんですね・・・ ハット思ったのは、意外にこれは料理だけのことではなく、設計を含め教育 全般に通じる事だと。 建築もハウ・ツー教育は意外に簡単です。 図面・CAD・CGの操作位、時間掛ければすぐできるように成ります。 問題はそれからです。技術の取得だけでは建築家には成れません。 創ったものが如何に美しく、味わい深い建築になっていくのかが、問題なの です。 文化の継承とよく言われますが、それを支えているのは意外にこれに似た 古い徒弟制度だと思います。 徒弟制度の本質は、親方・弟子のスキンシップです。 当社も、教育の真髄ここに在りと、「フランチェスカ」の様に、「社員に味を 教えるのは社長の役目」と社員と膝交えながら、「建築のオイシサ」を楽しく 教えようと思っています。 |
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