No.022  フランチェスカ料理教室  2003.06.23

最近 新入社員の教育に取り組んでいく内に「フランチェスカ料理学校」の事
を思い出した。ミラノに事務所があった頃、長女が通っていた料理教室である。
フランチェスカさんの自宅が教室で、娘は何時も楽しそうに通っていた。


しばらくは気にもしなかったが、下の娘が学校の休みに姉を訪問
すると、「クミ、一緒に行こう」とずいぶん気楽に、妹を連れて行くのです。

「イイの?」と聞くと、「イイの!イイの!」と二人でルンルン気分で行く。
後で聞いてヤット理解した。


フランチェスカ料理教室は「先生が作るのを見ていて、先生の料理を頂く」の
だそうです。皆で楽しくベチャ・ベチャおしゃべりをしながら、先生の作るフル
コースを美味しく頂く・・・そう家庭レストランなんです。


娘が楽しそうに行くはずです。・・・ 私モ通エバヨカッタ・・・?
料理教室というと、ステンレスの立派な調理テーブルを前に、先生の講義を
聴きながらレシピに従って、料理を作るのが料理教室と信じて疑わなかった
ので、驚きであった。


料理は味です。美味しい料理は舌が覚えます。
・・・フランチエスカさんは、「味」を教えているんです。


小さい頃、お母さんの美味しい料理を食べた娘さんが、結婚前にお母さんか
ら改めて料理の作り方を教えてもらわなくても、美味しい料理が作れるのは
ココなんですね・・・


ハット思ったのは、意外にこれは料理だけのことではなく、設計を含め教育
全般に通じる事だと。


建築もハウ・ツー教育は意外に簡単です。
図面・CAD・CGの操作位、時間掛ければすぐできるように成ります。

問題はそれからです。技術の取得だけでは建築家には成れません。
創ったものが如何に美しく、味わい深い建築になっていくのかが、問題なの
です。


文化の継承とよく言われますが、それを支えているのは意外にこれに似た
古い徒弟制度だと思います。

徒弟制度の本質は、親方・弟子のスキンシップです。

当社も、教育の真髄ここに在りと、「フランチェスカ」の様に、「社員に味を
教えるのは社長の役目」と社員と膝交えながら、「建築のオイシサ」を楽しく
教えようと思っています。


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