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 No.060             真の勇気           2004.03.22

先日、小さな地方都市を訪問

メールで、熱い相談を頂いた企業の、若き経営者に会う為である
5万人足らずの小さな町に、1000台前後の店舗が4軒も競い合い、更に全国業
者の進出も内定し、人口にしては、マレに見るほどの、激しい戦いに、古くから頑
張ってきた小型店舗が急激に苦戦を強いられている


あまりにも急激な変化にウロウロしている間に、手を打つ間もなく、オイテボリを食
ったカッコウである

今や日本中、随所で見かけ出した光景・・・

しかも若き経営者は、店舗作りの経験も無く、相談相手も無く、毎日苦悩するばか
りの状況であった


意を決し、戦い・建替えを決心して、メールで私に仕事の依頼をしてきたのである
・・・私は、「嬉しさ」と「責任感」と「使命感」の3つを同時に感じた

地元にも多くの設計士がいる中で、イロイロ調べて、遠方かつ会った事も無い我々
に声を掛けて頂いた「嬉しさ」と


会って見て、この自分の息子ほどの若い経営者が、単なる設計・デザインを超える
役割を私に期待している事を理解した

・・・どうすればいいかの、アドバイス・相談・判断を求めているのである。

この若者の人生の岐路に、道先案内人としての役割が十分に果たせるのかの、
「責任感」がのしかかる!


更に、イクラ日本中に1万7千軒もパチンコ店はあれ、恐らく大半の企業は、数店
舗以下の店舗数で、恐らく数年に一度の改装・増築の経験はアレ、新築店舗の
経験は遥か遠い昔の事で、

今回の相談者と同じように、今新築にイカほどの建築費が掛かり、どんな風な店
舗・どんな規模の店舗が、適切なのか等何も判断がつかず、

大型戦争の影で、下がっていく業績にただウロウロするばかりの経営者はかなり
いるだろう


そういった状況下で苦悩している経営者に、誰が手を差し伸べるのか?
誰が相談相手に成れるのか?
その役割を、我々設計者も果たさねば成らないのでは?
の「使命感」の3つである

資本力のある地元大手・ナショナルチェーン等の戦いの狭間で資本力も小さく店
舗数も少ない企業はどう生残るのか?

業界は難しい岐路に来ている

我々設計士は、モチロン本来は設計・デザインが本業で、経営とは一線を画する
立場にいるのではあるが、年間多くの店舗作りの経験をしてきている

年間数十件もの戦いの現実を見てきている。
「門前の小僧」としての経験はある

設計業は、企業繁栄のお手伝いが職業の本質と思う

精進して、踏み込んで経営を理解し、苦悩する経営者に生き延びるアドバイスをす
る必要性を大きく感じる


今回の相談者には、立地・敷地の大きさ・経験等総合判断し、全面的な建替えは、
控えて頂き、別な対策を講じる事にした。


イタズラニ真っ向からの戦いだけが勇気ではなく
戦わない事も勇気である事を理解させたかった
・・・何が「真の勇気」かを

この若者と同年代で、成功を収めている経営者と、同じような境遇から立ち上がり
大変に伸びているやはり若い経営者を近々に紹介をする事にした。


キット今回の試練をイイ機会に、この若者の企業は、成長して行くと信じる!!

ガンバレ!
ガンバレ!!





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