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無事設計が終わって、次に頭を痛めるのは入札です、数字です! あらかじめ概算見積りを、施主さんに提出してあり、当然経営者はその数字を基に、 総事業費・事業収支を想定するので、提出した数字に対する責任は重い。 しかし景気は生き物、建築資材の単価は刻々と変動する。 また各ゼネコンの受注状況、つまりお腹のスキ具合(お腹が一杯のライオンはどん な美味しそうなウサギが目の前を通っても食べません)によっても、値引率は変動 する。 従って設計者から少し言い訳をすると、入札数字の予測は、波に揺られながら航行 する小船の上の的を射るような、難しさがあります 我々にとって入札の開封は、何度やっても一番緊張の一瞬です。 子供が先生から通知表を貰う瞬間の緊張感に似ています 年間数十回もの入札を経験する訳ですが、 同じようにやっていても、どういう訳かイイ数字が出る場合と出ない場合がありま す・・・ ドンナ条件を満たしたら、イイ数字が出るかを、我々の経験から、述べたいと思いま す・・・テクニック的な話しは避け、日頃思う本質的な話しに集中します まず建設業界は狭い業界と考えましょう・・・意外に日本は狭いのです ゼネコン同士は、官公庁工事の談合やJV工事で意外に仲が良い それとサブコン・協力業者・イワユル下請けさん・・・ミンナ元請のゼネコンと一蓮托 生の世界に生きています お互いに情報交換しあいながら、リスクヘッジをしています 最大のリスクはお金の入金です・・・発注者からきちんと工事代金を頂けるか否か を一番心配しています・・・ソレダケお金のトラブルが多い業種なのです。 リスクヘッジのための、情報の移動は早い。 過去にその経営者がドンナ経歴だったかは直ちに知れ渡ります 特に過去に建設会社とのトラブル・未払い等があったか?とても気にします。 建設業は仕事が先行し工事代金が後追いです。 お金が頂けないからと言って、建築材料を剥がして持ってこられません おまけに建設業は、とても薄利な商売デス。 年間100物件の工事を受注していても、1現場の工事代金未収やトラブルで、簡 単に1年間の利益は飛びます そんな訳で、如何に受注しようかと言うより、むしろ如何にトラブルに近づかないか に一番神経を使います・・・ 従って発注者の経歴に不安があると、決してイイ数字は期待できません まず貴社が建設会社から見て、如何に健全で信頼に足りうる企業であるかを、分 かるようにしましょう 過去に建設会社と裁判をした経歴があると、貴社にとって、どんな正しい裁判であ っても、建設会社は自分の事に置き換え、防御本能が働きます 従って万が一貴社が建設会社とのトラブルを持っているのであれば、先に情報開 示し、無用な信用不安を持たれないようにしましょう 次に支払条件の中で、工事代金の一部を竣工後に残す事は止めましょう 経営者からすると全部払うと、手直し工事をやってくれないと心配する人もいます が、建設会社は上記のように非常にリスクを怖がる業種ですから、残した工事代 金は頂けないと誤解します。 お金をゼンブ払うと残工事をやってもらえないレベルのゼネコンとは、付き合わない ことが第一です。 契約段階で相手が金銭面で不安を感じる条項は付けない事です 従って工期の遅延を理由のペナルティー条項をつける事は論外です 最後に設計者が、ゼネコンから信頼を受けている事も大事です ゼネコンは設計事務所のレベル、人間性も気にします 図面が食い違いだらけ・間違いだらけ・曖昧・収まってない等スグ見抜きます そんなレベルですと、必ずリスクヘッジ上の経費を上乗します 自分の図面の不出来を棚に上げ、工事に無理難題を言う設計士もいます 施主さんの前でスタンドプレーまがいに、現場監督に無茶を言い、立派ブル設計士 は現場からは信頼されません。 心有る設計士は現場で懸命に働く現場監督さんを、施主さんの前で叱ったり、恥を カカシタリはしません 間違いに気付けば、施主さんのいない所できちんと指示をします 結論は「信頼感」です 施主さんの人間性 工事代金の支払い 設計士の技術・人間性、 等総合的に、「信頼感」を持った瞬間に彼らは安心して・燃えて入札の土俵に上がり、 何の不安も無く精一杯の数字を提示します 「信頼感」はビジネス全般の共通項です お客さんに対してもイベントで「ダシマス!」と言った日は必ず玉を出しましょう!! |
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