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 No.116             経営と宗教            2005.5.16

会社を大きくしたかったら、
“道端に落ちている石ころでもいいから、(石ころに適当なイワレをつけ)会社の神棚
(を作り)に飾り毎朝社員と一緒に拝め”と説く本を読んだことがあります

全社員が心を1つにして、同じ方向に力を向ける事の大事さを、解り易く語った文と
思います
社是・社訓・経営理念と言った明文化した経営方針も、社員の心のベクトルを1つに
向ける事に主な目的があります

JR西日本の福知山線の悲惨な歴史的大事故
連日TVで報道され、事故の大きな原因がJR西日本の企業体質に問題があること
が浮かび上がってきました

JR西日本の垣内社長の繰返された“お詫び姿”は見ていて気の毒な気がしますが、
同じ社長業をしている見地からは、私は敬意を表したいと思います

しかし、本当に改革できるでしょうか?
・・・直感的には無理な気がします

“反省”はするでしょう
会社の機構・システムも変え、過密ダイヤも見直し、対策防止機器も設置するでしょう
でもそれは“対処療法”に過ぎず、また将来忘れた頃に事故が起きる気がします

何故そう思えるのでしょう・・・
・・・・・・・・・・・・ソフト・心です
3万人の社員の心を一つにする“理念・宗教”が無いからです

反省は長く続きません、反省は理念に昇華出来ません
反省は過去向き、理念は未来向きです

3万人の全社員が目を輝かし明日への推進力となる“理念”が必要です


話が変りますが、トヨタが車産業で実質世界一になりました
トヨタが最初の乗用車を作ってからまだ40年強です
その頃からトヨタは“グローバル10”世界シェアの10%を目指し、全社一丸となって
努力をし続け、とうとうアメリカのビッグ3のクライスラー・フォードそしてガリバー企業
GMを追い越し世界一に上りつめました

どうしてトヨタは世界一になれたのでしょう?

宗教です!
トヨタには全社員の心を1つにする宗教が在ったのです
・・・ソンナ馬鹿なって???

馬鹿を承知で言います
“カイゼン”です
これ以上はないシンプルな、経営理念・不変の真理です

企業存続にとって最も大事な“改革・革新”が、日々全社員が一丸となってボトムア
ップで「改善」し続ける理想の姿があります
“カイゼン”をテーマに全社員が40年も目を輝かし続けているのです

世界中何処でも通用し、これにより何処の企業も幸せになれる不変の真理は、もは
“宗教”と言っていいと思います

JR西日本も、トヨタに学び、こうした全社員のボトムアップで、日々改善提案し続け、
社員が目を輝かせる理念作り・企業作りが最も大事な気がしますが・・・



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