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 No.128             証人尋問        2005.8.17

生まれて初めて裁判所の法廷に立ちました
“証人尋問”を受けたのです・・・
ある物件に絡んだ、施主・ゼネコン・設計事務所(当社)、三つ巴の裁判です

裁判ってよく解らないですネ
先ず“訴状”、次に“準備書面”、次に“陳述書”
そして今回の、“証人尋問”

・・・まず一つ一つの言葉の意味が不明・不説明
これらが、どんな流れで、どんな方向へ行くかの説明も無いままに、弁護士さん
の指示に従って行動するだけ・・・プロの悪しき習慣ですネ

多分、長年の習慣で、相手が(その程度は)知っていると勘違いしてしまうので
しょう
(・・・我々設計士も注意はしていますが、そんな発言しているかも知れない事を反
省したいと思います)

法廷・・・TVドラマのシーンと同じ、部屋の大きさは8−10M角位ですか?
正面高いところに裁判官、その前に速記者
左右に弁護士さん
中央に被告(証人)

入って先ず宣誓!
・・・悪事をはたらいた訳でもないし、傍聴者は僅か3名でも、“上気している自分”
に焦ります
キット経験の無い事に対するストレス(不安感)でしょうネ

ただ今回は先に、施主側の証人尋問を傍聴出来た為、“学習効果”で落ち着きを取
り戻して本番に望めましたが、もしイキナリだったら、舞い上がったまま(下が
って来れずに)終わったかも知れません

初めて、法廷内での弁護士同士の“プロの戦い”を見せていただき、自分が当事
者であることを忘れ、聞き入ってしまい
“両方とも正しい”と言う気がしてくるほど
(知的水準の)高度なトークのやりとりに、感激と感動と尊敬の念を抱き、カッ
コ良さに拍手をしたくなりました

また目の前の証人が、自社の利益を守る為(必要以上に?)言葉を選び、時には
声を張り上げ(一生懸命?)“戦う姿”を見ているうち、
最も大事な事は(必要以上に)自社の利益を守る事ではなく、
人としてプライドを持って真実を語り、後は“判断は司法に任せる謙虚さ”だと
達観しました
・・・“勝ち負けは、言葉ではなく真実だ”と

(達観後の)証人尋問ですから、必要以上の緊張感も無くアッケない思いで終わ
りました
しかし相手の弁護士の巧みな言葉につられた事が2つほどあった事に無念さは少
し残りますが・・・これもプロの技術でしょう

肝心の当方の2人の弁護士さん・・・
年取った方(40代)は、饒舌だが何処となくダサイ?
若い方(30代)は背も高くハンサムだが、何処となく愛想無く?
・・・当初“人選ミスか?”とも思ったが、

法廷では、ダサイ?先生は“刑事コロンボ”の様に相手を囲い込み追い込んでゆ
き、無愛想?先生は、切れ味鋭く相手の証拠の不備に切り込む
・・・2人とも別人のように実にカッコ良かった!!

“勝っても負けても、この先生らの努力の結果なら素直に従いたい”と思わせる
ものが有りました・・・これがプロの世界でしょうか?

弁護士さんとの出会い・仕事を通じ、
自分達(建築士)もクライアントに
“この設計士さんに、任せて悔いなし”
と思われる程の“努力と技術と信頼感”を会得しなければと思わされた(1回
だけで十分な)法廷初体験でした



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