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 No.170             「人生引き算」          2006.06.19

皆さん、今何才ですか?
最近若い経営者にお会いするケースが多くなった・・・と言うより、私くらいの
年令の経営者が第一線から退き出し、代替わりし出したのが実態でしょう

そんな若い経営者に私は
“社長、**年後には、どんな会社になっていますか?”と、よく質問します
ほとんど、元気の良い答えが返ってきます!
・ ***億円の年商にしたい!
・ ***店舗数のお店を持ちたい!
・ ***に別荘もちたい!
・・・素晴らしいですね
若さは無限ですね!・・・微塵も“あと何年生きられる”の発想は有りません
こんな時チョッピリ若さが羨ましくなります

何度も言いましたが、私今年59才です・・・もう直ぐ“定年”を迎える年にな
ってしまいました!
恐ろしい事に
発想方法が“引き算化”し出した自分に驚きます・・・

昨年、車を買いました・・・慎重に選び、一度購入すると長く乗る方なので、買
い替えは、ホボ5年周期です
しかし、買った日に“あと何台乗れるかなー?”とつぶやく自分にハットします

男性の平均寿命が76才と聞く・・・76才−59才=17年

死ぬ前は、多くは病院生活が始まると考えると、残りほぼ15年
15年/5年=3台
好きな車も、このペースであと3台しか!乗れないのです

いつの頃からか?ダンダンこうして無意識にも引き算で、人生を考える習性が始
まり出しました
虫歯治療で歯医者に行く
・・・虫歯か歯槽膿漏で年1本づつ減ると、死ぬまでにまでに何本残るかな?
・・・年1本づつ位なら減ってもイイか!(・・・と開き直る?)

臓器の調子良くないと
・・・治療しながらも、後15年位持てばイイか!(・・・と開き直る?)
借入金残高を見ては、
・・・全額返済以降(死ぬまでに)何年残るかな?
会社、毎年10名採用すると、(死ぬ前に)何人位の会社になるのかな?
と言う風に
残った人生と、“残高”を比較しながらの発想になっている自分に驚きます

多分、こうして
徐々に“死”への準備を始める事により、死と向き合い、死が日常化する事で、
死への恐怖心が薄らいで行くのかなと思っています
生命の本能が、そうさせるのでしょう

若い頃、
50代は、“拡大”で行け!
しかし、60代に入ったら、ダンダン“整理”を始めろと、聞きました

そう思うと、60才の定年制は、よい制度かもしれません
私も人から“元気!元気!”と言われても、老いは確実にやって来る
・・・後進を育成し、バトンタッチするべき年令になってきました

スイマセン今回随分暗い話になりまして
・・・多分、今日親しくしている経営者の母上がお亡くなり、葬儀に行っていて、
フト“死”を実感したからでしょう・・・

日々戦い、“行け・行け”のパチンコ経営者の皆さん、
たまには“人生のはかなさ・短さ”を考えるのも良いと思いますが・・・

“もう戦いは止めませんか!”
・・・穏やかな、昔懐かしいパチンコ屋さんには帰れないのでしょうか?


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