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 No.135           杭州訪問記         2005.10.03

中国を訪れ、その激しい成長・発展振りを目の前に見ると、“ヨーシ俺モ一発!”
と奮起しない経営者はいないと思います

私もそのうちの一人で、約10年前に観光で上海を訪れ、林立しだした超高層ビ
ル群を見るうち“こんなに一杯建っているなら、その内一本くらい・・・”
なんて野望に胸ときめかし、日本で経営状態がどん底状態だった事も一因で“ヨ
ーシ一旗!”と燃え、足がかりを掴むべく、以来通算で20回くらい通いました

先週も杭州を1週間訪問して来ました

しかし・・・中国に行くと何故か疲れます・・・

先ずは交通機関
中部国際空港から杭州へは、直行便が無いので、上海経由
上海から杭州は、距離約200KM、鉄道かバスかタクシー、鉄道は空港から遠
い、したがってバスかタクシー・・・
バス50元、タクシー正規メーター800元

バスは 爆走運転で生きた心地がしないので、消去法的にはタクシーと値交渉し
かない
バス停には、必ずブローカー氏がいる
今回は第一回目は400元の言い値を300元で契約・・・しかしブローカー氏
は何故か駐車場内を30分も引張りまわし失敗したよう・・・多分杭州への帰りのタ
クシーが確保できなかった模様

2回目のブローカーはこちらの行先を聞くや、一時間半待ちを熟知しているせい
か400元を一歩も引かない・・・こちらの負け!・・・上陸第一歩から値交渉が始ま
ります
バスも怖いがタクシーも怖い
人・自転車・車が渾然となった中を、車は人を押し分け・押しのけ走り続ける
人も車に負けずと、列を成して走ってくる車の隙間に飛び込み、車を止めながら
車道を横断する
自転車もバイクも然り

寸止めというか、相手との間合いを、空気を感じる如く、お互いがお互いを読み
ながら、まさしく“見切って”道を渡って行く
マネが出来ない・・・同じ価値観を共有する国民同士しか出来ないハイレベルな
“ワザ”と思う

人同士も同じ、前から来る人は同じ線上を歩いていても、決して譲ってくれない
立派なホテルでも、ロビー中央を歩くホテルマンをこちらが避けなければ、彼ら
は避けない・・・歩くのも疲れる

マナーの問題ではなく、価値観・国民性と思う

上海で必ず立ち寄るショッピング市場がある。ブランド品のコピー街で、小さな
店舗が何百件も立ち並ぶ、戦後の闇市場のような雑踏の雰囲気が好きなせいだ

ココで一度値段交渉して欲しい
衣類・靴・バッグ・時計・・・ほとんど土産物のはココで揃う
私は何時も孫の土産を買う・・・多くの外人老夫婦もやはり、孫のものを買ってい
る・・・老人の趣味・生きがいは世界共通のようだ

幼児の靴・・・言い値250元スタート

250元は、10分間粘る自信があったら、多分45元位にはなります
・・・但し交渉決裂で、“もう要らない”と店を出掛かるまでは勝てません・・・彼女ら
はそこまで粘り強い交渉力があります(・・・クツ一足買うだけでヘトヘトです)
これはマニュアルや訓練の世界では在りません
ハングリーとも少し違います

上手く言えませんが、世の中の仕組みがそんな風に出来ている気がします、社会
生活の中で無意識に身に付いた習性・能力だと思います

とにかくタフで、交渉が粘り強い
このタフな仕組みが私を疲れさせる原因と思います・・・

上海の買い物市場で、値交渉して中国のタフさに挑戦して下さい
日中交渉している日本政府の高官もココで、交渉訓練をするのがいいと思います
が・・・



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