|  No.165           「怪人YAMANAKA」        2006.05.16 | 
           
        
       
      
  
思い出深い社員の筆頭は“ヤマナカ君!” 
夏の夕方の飲み会での出来事 
・・・席に“蚊“が飛んでいました 
彼は、談笑しながら何気なく座ったまま(日常行為的に)蚊をこぶしの中指で 
次々と“突き”落とす!! 
 
“み・ミ・MI・み・・・宮本武蔵か!?”・・・夕食会は驚きから賞賛と尊敬と 
畏怖に繋がって行った・・・(彼を絶対怒らしてはダメだ!と全員思ったと思う) 
聞けば大学時代は、少林寺拳法の達人・キャプテンだったそうで、端正な風貌 
にはこの道一筋を極めた者だけが有する達人のオーラが漂う・・・ 
 
ある日、(彼も同行し)4名ほどでの打合せの帰りの電車内・・・若者がケタタ 
マシイ勢いで騒いでいた 
車内を大声で威嚇しながら、往復走り回り 
持っていたセカンドバッグを力一杯投げつけたり、・・・恐らく麻薬中毒的症状 
で、その狂人的行動に車内はパニック寸前だった 
 
乗客一人一人の顔を順番に覗き込み、大声を発しながら威嚇し出す・・・見渡せ 
ば車内で一番体が大きく(一見強そうな???)私は、 
“ココで立ち上がらなければ、日本の平和は維持されない!”と“勝負(討ち死 
に)”する決心をしていました(・・・本心は恐怖心で一杯です!) 
 
しかし・・・何故かその狂人的若者は、私の席の直前で、突然Uターンし、駅に 
着くや去って行きました 
・・・横でヤマナカ君が構えたのです!!・・・狂人が達人のオーラに怯えたの 
です・・・“社長5−6人なら私1人で大丈夫です!日本刀持っていても大丈夫 
です!安心していて下さい”・・・スゴイ奴が世の中には居るものだ! 
 
以来私は彼を敬意を持って“ヤマナカ”ではなく“ヤマナカ君!”と呼ぶように 
なりました 
 
若い頃社員・家族全員連れて、海外旅行に何回か行きました 
第1回目は“バルセロナ―パリ”です 
・・・総勢約20名・大半は、海外は勿論、飛行機さえ乗った事すら無い、おま 
けに添乗員なしのケチケチ旅行です 
 
パリでベルサイユ宮殿に皆で出かけたが、移動中の地下鉄が突然止り、乗客が全 
員降りるではありませんか! 
英語は勿論フランス語は論外の我々・・・状況が判らない 
 
海外旅行初めて、日本語△英語×仏語×のヤマナカ君は、 
“社長、ストが有って他の交通機関に乗換えのようです”とパリ在住の日本人の 
ように平然と、皆を案内し出す 
 
乗り換えたバスがまた止まる・・・彼はまたもや平然と、近くの鉄道駅へ歩き出 
す・・・“多分この電車に乗り換えればベルサイユへ行けます”と今度は仏人の 
様に落ち着いて語る 
 
本当に、我々はベルサイユ宮殿に着いた!!・・・ヤマナカは神か? 
べルサイユ駅に着くと“神”は、切符売り場で何らやモメテイル風・・・“マネ 
ー・チェンジ!まねー・ちぇんじ!”と、叫び続けている 
 
・・・こんな所で両替かと見ていると、彼が右手に持っているのは“地下鉄の切 
符”・・・どうやら、“ストで使えなかった切符代を払い戻せ!”と抗議している 
様子だった・・・お金と切符を交換して欲しいからマネー・チェンジ!・・・素 
晴らしい英語力だ??? 
 
私は、粘る彼を引きずる様にして駅を後にした・・・切符売り場の老女は言葉が 
通じない屈強な若者に怯えているのは明らか!・・・放っておくと“恐喝罪”で 
国際問題化する懸念を感じたからだ 
 
天才かアホか判断がつかない!?・・・まさしく“紙(神)一重”の世界! 
 
この“紙一重氏”は、ベルサイユ宮殿に入ったら、何を考えたのか大理石をコツ 
コツと叩いて廻る・・・行動不明! 
 
1時間ほどして“社長!ココ偽物です!” 
信じられない思いだったが、音がベコベコと響き、まさしくベニヤ張りの上に本 
物ソックリにペンキで描かれた偽物大理石でした!! 
 
もしかしたら彼はベルサイユ宮殿の偽物を世界で初めて発見した歴史的大発見 
者かも知れません 
 
少林寺拳法の天才は、文化よりヤハリ“叩く”事が一番好きだった様です!! 
 
そんな彼が家業を継ぐ為に故郷に帰ったのは、今でも残念です 
やがて当社も、求人会社を通じて求人し出し、こうした紙一重の達人?に出会え 
るチャンスは無くなりました 
・・・求む怪人!! 
 
  
          
       
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